被疑事件

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産経新聞が最高検察庁への情報公開請求で入手した資料によって刑事裁判で有罪判決を受けた被告が訴訟費用の支払を踏み倒している例が多いことを報じている。犯罪を犯し、さらに訴訟費用まで払わないとは許されざる行為である。何らかの対処が必要だろう。

ところで検察はどの位の事件を処理しているのだろうか。 法務省の検察統計統計表を見てみた。その前にまず検察とは何をするのか確認しておく。法務省の「検察庁と刑事手続の流れ」に簡潔にまとめてあるので抜粋する。

◎犯罪が発生すると,通常,警察が捜査を行い,犯人を検挙して,事件を検察庁に送ります(送致)。検察官は,被害者や目撃者の方から事情を聞いたり,被疑者(犯罪を犯した疑いがあり,捜査の対象とされている者)を取り調べるなどの捜査を行った上で,事件を起訴(裁判にかけること)するか,不起訴(裁判にかけないこと)にするかを決めます。少年による犯罪については,処分の意見を付して,事件を家庭裁判所に送ります。 検察官は,事件を捜査した上,起訴するか,不起訴にするかを決定します。

さて、被疑事件の処理状況だが、「被疑事件の受理,既済及び未済人員の累年比較」によると戦争が終わって間もない昭和22年には約140万件の受理件数だったが、昭和40年代には800万件を超えるほど増加している。その後緩やかに減少を続け、平成26年には戦争直後と同程度の約140万件にまで減少した。

もう一つの表・罪名別通常受理人員の累年比較を見ると内訳が分かる。平成11年からのデータだが、刑法犯については年間約100万件から平成26年約80万件に減少しており、その内、約70万件が自動車関連の事件である。

今回の報道では犯罪の種類別訴訟費用踏み倒し件数が明らかにされていないのだが、何か傾向があるのかもしれない。

被疑事件の受理,既済及び未済人員の累年比較

 

被 疑 事 件 の 罪 名 別 通 常 受 理 人 員 の 累 年 比 較

 

出所:法務省の統計【検察統計統計表】