また今年もゴールデンウィークに入ると山岳遭難事故のニュースが報道される。北穂高、奥穂高、立山連峰と相次いで死亡事故が起きている。死亡事故に繋がらないような事故も含めるといったいどれだけの事故が起きているのだろうか。警察庁の統計を見てみた。
それによると平成26年(2014年)中の山岳遭難は、
発生件数2,293件(前年対比+121件)
遭難者2,794人(前年対比+81人)
■死者・行方不明者311人(前年対比-9人)
■負傷者1,041人(前年対比+38人)
■無事救助1,442人(前年対比+52人)
であり、発生件数、遭難者が、統計の残る昭和36年以降で最も高い数値となった。
過去10年間の山岳遭難発生状況をみると増加傾向にあり、平成17年(2005年)と比較すると
■発生件数+911件(+65.9%)
■遭難者+1,110人(+65.9%)
■死者・行方不明者+38人(+13.9%)
となっている
遭難者の年齢は60歳以上が50%を占めている。死者・行方不明者は単独登山者は複数人数の登山者の3倍以上になる。近年の登山ブームと高齢化が事故増加に繋がっていることは明らかで、当面、事故は増え続けることになるだろう。同じ山を登る者として、たとえ低山でも山はなめていけないと自らを戒めたいと思う。
過去10年間の山岳遭難発生状況と様態別山岳遭難者の表を掲載しておく。
出所:警察庁 平成26年中における山岳遭難の概況 統計データ(Excel) 2015年06月18日