農業用水量

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梅雨入り後も降水量が少なく、各地で水不足が懸念されるような事態になっている。とくに農業にとっては深刻で農業用水の供給制限が始まろうとしている。

近年、水不足でダムの貯水率が下がって大きなニュースになることが増えたような気がする。農業にとって最も大切な水、農業用水はどのような状況になっているのだろうか。国土交通省のデータを見てみる。

水資源については、国土交通省の「平成28年版 日本の水資源の現況」に最新のデータがまとめられている。これによると、平成25年(2013年)の農業用水量は年間約540億㎥。

農業用水は次の3分野に分けられる。
①水田かんがい用水
②畑地かんがい用水
③畜産用水

そして、農業用水の大半は水田かんがい用水である。その農業用水は減少傾向にある。1975年の農業用水量は570億㎥/年だったが、その後、1996年に590億㎥/年でピークを迎え、その後減少が続く。2013年には540億㎥/年だった。

農業用水量の減少には、水稲の作付面積が減少しているという要因がある。一方で、水田利用の高度化や生産性向上のための水田の汎用化に伴う単位面積当たり用水量の増加要因もあるものの、大きな影響を及ぼさず、横ばい、もしくは微減という状況が続いている。

ちなみに水田の汎用化とは、稲作にしか利用できなかった湿田を、排水条件の整備などをして、麦や大豆等の作付けを可能にするものである。

都会で生活していると全く意識しない農業用水だが、国内で最も多く消費されているのが農業用水である。生活用水や工業用水を合わせても農業用水には遥かに及ばない。これからも安定的に確保できるように意識していきたい。



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農業用水量の推移(用途別)
出所:国土交通省 平成28年版 日本の水資源の現況