工業用水量

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前回、農業用水をやったので、今回は工業用水をやっておく。後回しにすると忘れてしまうので、連続してまとめておく。

工業用水とは、国土交通省の用語によれば、「工業の分野において、ボイラー用水、原料用水、製品処理用水、洗浄用水、冷却用水、温調用水等に使われている水の総称」と定義されている。

工業用水は一度使用した水を再利用する回収利用が進んでいるので、河川水や地下水等から新たに取水する淡水補給量は減少し続けている。2013年の工業用水淡水使用量は462億㎥/年で、その内再利用された回収水は365億㎥/年、淡水補給量はわずか97億㎥/年である。淡水補給量とは、河川水や地下水のことである。つまりこの淡水補給量が自然界から調達して使用する水である。過去、環境に大きな影響を及ぼしてきた。

東京都水道局が出しているパンフレット「東京の工業用水道」によれば、都の工業用水道事業は、地盤沈下を防止するため昭和39年(1964)に一部地域で給水を開始した。それまでは工場は地下水をくみ上げて使用していたため、工場の多い江東、墨田、荒川、足立といった地域の地盤沈下は激しかった。そこで都は、工業用水の供給や地下水揚水規制強化などを実施し、昭和50年(1975)代には地盤沈下は沈静化した。しかし、地盤沈下してゼロメートル地帯となった地域はそのままである。

データを見ると1975年の147億㎥/年から淡水補給量は減少し続けている。2000年には119億㎥/年、そして2013年には97億㎥/年という結果である。

前回取り上げた農業用水が2013年540億㎥/年だったのに対して、工業用水の淡水補給量は2013年には97億㎥/年という関係にある。



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工業用水使用量等の推移

工業用水淡水補給量の推移(地域別)
出所:国土交通省 平成28年版 日本の水資源の現況

出所:東京都水道局 東京の工業用水道事業の概要 パンフレット「東京の工業用水道」