最近、熱海がメディアで紹介されることが増えた。一時期低迷していた熱海だが、ここに来て人気回復の兆しが出てきているようだ。熱海駅前には地上30階建てのタワーマンションが完成したり、新しいアウトドア施設がオープンしたり、さらに、外国人観光客の増加に対応し、英語による観光案内の実施など、官民でソフト面のもてなしの充実を図る動きが活発化している。
では熱海の観光客の実態はどうなのか。熱海市は毎年統計書を出している。熱海市統計書平成28年版のデータを見てみる。
平成28年(2016)の熱海市の人口は37,798人。昭和47年(1972)には51,871人いたのが、その後ほぼ一貫して減少を続け、今では4万人にも満たなくなった。熱海の復活どころか存亡の危機ではないかと危ぶむのだが。宿泊施設数も平成27年(2015)は291。これも平成23年(2011)には313あったのが1割近く減少した。
一方で観光客は増えている。観光入込客数の推移を見ると、平成23年(2011)は総数5,231,252人。平成27年(2015)には6,773,023人まで増加している。150万人も増えている。宿泊人員も平成23年(2011)が総数2,466,829人、平成27年(2015)は3,084,025人と60万人以上も増えた。
このデータを見る限り観光地としての熱海の回復は着実に進んでいるように見えるが、観光コンテンツに強さは感じられないのだが。
出所:熱海市 熱海市統計書