先日、山梨県のJR中央線の踏切で電動車いすが立ち往生して高齢女性が特急にはねられて亡くなった。またかと思った。電動車いすの性能、機能はここ20年で飛躍的に進化してきた。利用者が電動車いすでどこにでも出かけていく姿を日常的にみるようになった。
しかし、常々もし故障して動かなくなったらどうするのか心配していた。故障した時、自力で危険を回避する仕組みはあるのだろうか。今回の事故は迫ってくる電車にただ手を振って合図していただけらしい。こういう時どうしようもなくなってしまう。
警察庁の「電動車いすの安全利用に関するマニュアルについて」に電動車いすの交通事故件数のデータがある。
全事故件数
平成24年(2012年):215件
平成25年(2013年):191件
平成26年(2014年):182件
平成27年(2015年):179件
平成28年(2016年):155件
死者数
平成24年(2012年):7人
平成25年(2013年):5人
平成26年(2014年):6人
平成27年(2015年):7人
平成28年(2016年):9人
年間の事故件数が平成24年(2012年)の215件から平成28年(2016年)には155件に減ったとはいえ、多いという感じはする。手動車いすの場合は、これよりも件数は少なく、年間事故件数は100件から82件にまで減少している。手動の方が安全ということだろうか。
以前視覚障害者のホームからの転落件数を取り上げたが、件数は年間80件前後だった。電動車いすの事故はその倍以上である。ホーム転落事故全体では3,600件も起きているが、安全であるべきホームでこんな危険に晒されていることを考えたらホームドアの設置は急務である。同じように踏切の対策も急務だと思うのだが。まさか自己責任に任せているわけでもないだろう。
ホームからの転落件数
出典:警察庁 電動車いすの安全利用に関するマニュアルについて