「北海道開発局と道は、2100年代の平均気温が現在より4度上昇した場合の十勝川と常呂川の洪水被害推計値などをまとめた。雨量が増し、洪水規模も拡大するとみて想定死者数は、十勝川流域で2.3倍、常呂川流域で6.7倍に上る恐れがあると分析する」と北海道新聞が報じた。
かなり先の話のように思えるのだが、最近は洪水被害のニュースが記憶に残ることが多いので、他人ごとではないと心配している。水害は増えている、そんな感じがするのだ。国土交通省が水害統計調査を実施しているので、そのデータを確認してみる。
水害被害の額、つまり金額規模で被害を見ると、平成8年(1996)は合計1,652億6,500万円。直近の平成27年(2015)の合計が3,896億8,900万円で倍以上に増えているが、グラフにしてみると、過去20年間では増えているようには見えない。ただバラツキは大きい。平成16年(2004)の2兆0,182億8,400円という数字が突出しているが、この年は、観測史上最多となる10個の台風の上陸を記録している。また梅雨前線豪雨や集中豪雨も発生し、被害も記録的な規模になってしまった。
気象の変化は何百年、何千年単位で変化していくものだから、たかだか20年間のデータで判断するわけにはいかない。しかし、毎年3,000億円、4,000億円という被害が出ていることは確かなようだ。
出典:国土交通省 水害統計調査