米国を除くTPP協定の参加11か国が協定の発効で大筋合意した。TPPとは、輸出・輸入の際にかかる関税を段階的に引き下げ、自由貿易を推進することを主な目的としている。今回の合意はどうなったのか、基本データをまとめておく。
農林水産省の「TPPにおける農林水産物関税の最終結果」によると、TPP交渉参加各国の関税撤廃率はシンガポールやブルネイ等が100%である。一方、日本は品目数ベース、貿易額ベースともに95%である。
日本以外の国の関税撤廃等の状況を見ると以下のようである。
米国
即時撤廃:58.7% 非撤廃:0.8%
カナダ
即時撤廃:87.4% 非撤廃:5.4%
豪州
即時撤廃:99.6% 非撤廃:0.0%
メキシコ
即時撤廃:71.7% 非撤廃:3.4%
マレーシア
即時撤廃:96.3% 非撤廃:0.4%
シンガポール
即時撤廃:100.0% 非撤廃:0.0%
チリ
即時撤廃:95.5% 非撤廃:1.9%
ペルー
即時撤廃:83.9% 非撤廃:3.5%
NZ
即時撤廃:98.1% 非撤廃:0.0%
ベトナム
即時撤廃:46.3% 非撤廃:0.7%
ブルネイ
即時撤廃:98.8% 非撤廃:0.0%
11カ国平均
即時撤廃:85.1% 非撤廃:1.5%
(参考)日本
即時撤廃:52.9% 非撤廃:17.7%
日本だけが最終的な非撤廃が17.7%と突出している。
TPPにおいて関税を残すライン、つまり品目であるが、日本の場合、総ライン9,321のうち459が関税を残すラインである。これはすべて農産物で、この内関税撤廃したことのないものが455ある。
出所:農林水産省 TPPにおける農林水産物関税の最終結果(HS2012版)