9月12日、農林水産省が米国向け日本産かき(柿)生果実の輸出が解禁されたと発表した。これまで米国は、日本産かき(柿)生果実について、米国が侵入を警戒する病害虫が我が国で発生していることを理由に輸入を禁止してきた。それが日米間の植物検疫協議の結果、輸出植物検疫条件に合意したことで解禁が決定した。
日本ではそろそろ柿の季節がやってくるが、海外で日本の柿が受け入れられるのであろうか。どの位輸出されてきているのだろうか。農林水産省の農林水産物・食品の輸出に関する統計情報の「農林水産物・食品の輸出実績」によれば、平成28年(2016)の野菜・果実等の輸出総額は254.8億円で前年比8.4%の増加になっている。その内柿の輸出額は2.5億円で、前年より17.6%減少している。たった2.5億円でしかない。りんごの133.0億円と比較するとゼロに等しく見える。
柿の輸出状況を時系列で見ると、平成19年(2007)では1.5億円で、平成24年(2012)まで横ばいで推移する。その後増加をはじめ平成27年(2015)には3億円に到達したが、翌平成28年(2016)には2.5億円に減少した。輸出先はタイが圧倒的に多かったが、徐々に香港への輸出額が増えてきている。しかし輸出先に台湾が入っていない。他の果物の主要な輸出先は香港と台湾である。うんしゅうみかんはカナダが圧倒的に多いの特徴的である。いずれ柿もりんごに迫るような輸出果物の主役になれるのだろうか。