地域別将来推計人口

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政府与党は「人生100年時代構想」を掲げた。党のブログには「過去200年の間、わが国の平均寿命は10年に2年の割合で延び続けています。先進国で一番のスピードで高齢化が進行する日本では、2050年には100歳以上の人口は100万人を突破し、2007年に生まれた子供の半分は107年以上生きる計算になります。」と述べられている。

一概に絵空事とも言えないのが現状である。古希という言葉が死語になるような現代では、このような状態に備えておく必要があるだろう。では人口予測はどうなっているのか、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」を見てみた。

まず都道府県別総人口だが、人口は減少する。2010年を100として最も減少幅が小さいのが沖縄県98.3。次が東京都93.5、滋賀県92.8となっている。最も減少幅が大きいのが秋田県で64.4。次は青森県67.9、高知県70.2と続く。また総人口は2010年1億2,805万人が2040年には1億0,727万人に減少する。約2,000万人減る見込みだ。

では75歳以上人口はどうなるのだろう。65歳以上ではない。75歳以上である。今は後期高齢者と呼ばれている。2010年には全国に1,419万人の75歳以上の人がいる。2040年には2,223万人に増加する。総人口に占める割合は20.7%になる。5人に1人が75歳以上である。75歳ではなく75歳以上である。だから90歳も100歳も入っている。

75歳以上の人口増加が著しい地域は、埼玉県、神奈川県、沖縄県で、それぞれ2010年を100とした指数は、2040年では、203.3、200.7、198.0と予想されている。一方、増加が小さいのは、島根県、高知県、秋田県で同じく指数は、107.8、113.3、113.6となっている。

では、75歳以上人口の割合が大きくなる地域はどこかというと、2040年は、秋田県、青森県、高知県の順で28.4%、25.8%、25.7%となる。秋田県は約3割だ。3人に1人が75歳以上。いったいどういう社会になるのだろうか。割合が最も小さいのは想像通り東京都で17.4%。しかし次が沖縄県17.5%、愛知県17.6%となっている。

高知県や秋田県は、75歳以上の人口増加率は小さいものの、2040年時点での75歳以上構成比は高い。つまり現時点ですでに75歳以上人口が大きいということである。人口予測は経済予測と違って大きく外れることはあまりない。2040年あたりまでは予測のように推移していくものと思われる。備える必要がある。
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1_都道府県別総人口と指数(平成22年=100)

2_都道府県別75歳以上人口と指数(平成22年=100)

3_都道府県別75歳以上人口の割合

 
出所:国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)』