植物工場施設数

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今年のように長雨で野菜が高騰すると、期待されるのが天候に左右されない植物工場である。とはいうものの植物工場とは何を指すのか。施設栽培とどう違うのか。農林水産省の広報誌affに次のように紹介されている。

植物工場とは、施設内の温度、光、炭酸ガス、養液などの環境条件を自動制御装置で最適な状態に保ち、作物の播種、移植、収穫、出荷調整まで、周年計画的に一貫して行う生産システムのことです。施設内での生産なので、天候に左右されることなく作物を周期的に安定供給でき、病害虫の被害を受けずにすむほか、高齢者や障がい者の方の雇用にもつながるなどの利点がある植物工場。

夢のような植物工場だが、実態はかなり厳しいらしい。農林水産省が「大規模施設園芸・植物工場、実態調査・事例集(H28)」を公表している。ここに「大規模施設園芸及び植物工場の施設数」が時系列まとめられている。植物工場は平成23年(2011)3月時点の太陽光型13箇所、太陽光人工光併用型16箇所、人口光型64箇所だった。それが平成29年(2017)2月時点には、太陽光型126箇所、太陽光人工光併用型31箇所、人工光型197箇所である。順調に増えたのかというとそうでもなく、これまで把握しきれていなかった農業者、事業者について、調査することができたため数字が増えている部分もあるというので、このまま鵜呑みにできないデータである。

収支の状況については、全体では黒字と収支均衡の合計が64%を占め、赤字との回答が37%となっている。決して楽な状況ではないと思うのだが。天候不順の年は需要が高まるので、経営的にはメリットがあるが、露地野菜の代替品である内は安定することはないだろう。NHKニュースおはよう日本「夢の植物工場」黒字達成が困難な理由によれば、植物工場で生産した野菜には、洗浄や消毒がほとんど必要がないため、手間やコストを大幅に減らせるというメリットを武器に食品加工業者への売り込みで成功している例もあるという。
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施設数の推移

 
出所:農林水産省 大規模施設園芸・植物工場、実態調査・事例集