マリンレジャーの事故件数

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まもなく梅雨が明けると本格的な夏がやって来る。そこで海の事故についてまとめておく。海上保安庁が海の事故情報を公表している。同庁の「平成28年(2016)海難の現況と対策」によれば、平成28年(2016)の人身事故者数は2,660人であった。

説明する前に事故の分類を確認しておく。

・ここで言う人身事故とは、船舶事故以外の乗船中の事故及び海浜事故のことである。
・船舶事故以外の乗船中の事故とは、乗船者の海中転落、負傷、病気等のことである。
・マリンレジャーに関する海浜事故とは、遊泳中の事故や釣り中の事故等のことである。
・マリンレジャー以外の海浜事故とは、岸壁からの海中転落や自殺等のことである。

先の人身事故の内訳は以下の通り。
・船舶事故以外の乗船中の事故が927人
・マリンレジャーに関する海浜事故が900人
・マリンレジャー以外の海浜事故が833人

このうち死者・行方不明者数は1,092人
死者・行方不明者数の事故の内訳は次の通り。
・船舶事故以外の乗船中の事故が226人
・マリンレジャーに関する海浜事故が285人
・マリンレジャー以外の海浜事故が581人

時系列で見ると、事故者数は平成24年(2012)が2,867人だったのが、平成28年(2016)には2,660人に減少している。総数は徐々にだが減ってきているが、マリンレジャーの事故に限っては増えている。平成24年(2012)が842人だったが、その後減少したものの平成28年(2016)には900人で増加に転じている。死者・行方不明者も同じような動きを示している。

マリンレジャーの事故の年齢別構成比を見ると、レジャーの種類によって特徴がはっきり出ている。
・まず遊泳中の事故は、10歳代、20歳代が多く、年齢が上がるにつれ減少する。しかし60歳以上になると再び増加する。
・サーフィンは40歳代が圧倒的に多い。若者ではなく中年と呼ばれる世代だ。
・スキューバダイビングは、40歳代、50歳代、60歳以上と中高年が占めている。
・釣りは60歳以上が突出している。
・ボードセーリングも50歳代がダントツである。
・被引浮体遊具使用では20歳代の若者がほとんどである。

被引浮体遊具とは、水上オートバイ等で引っぱって遊ぶバナナボート等のことである。浮き輪のように空気が入っているボートのようなものである。それにしても難しい名前が付けられている。

いずれにせよマリンレジャーの事故者数、死者・行方不明者数は増えている。気を付けなくてはならないだろう。
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平成28年に海上保安庁が認知した人身事故者数

マリンレジャーに関する海浜事故の年齢層別構成
出所:海上保安庁 海の事故情報