生活用水量

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前回、前々回に工業用水、農業用水とやったので、生活用水をやらない分けにいかないので、まとめることにする。

生活用水は、家庭用水と都市活動用水に分けられる。家庭用水とは、飲料水、調理、洗濯、風呂、掃除、水洗トイレ、散水等。都市活動用水とは、営業用水(飲食店、デパート、ホテルプール等)、事業所用水(事務所等)、公共用水(噴水、公衆トイレ等)、消火用水等である。

また、生活用水使用量は、取水量ベースと有効水量ベースでデータが取られている。次のように分けられる。

・有効水量ベース
水量について言及する場合に、水道による給水のうち、漏水等によるロスを除いて、需要者において有効に受け取った段階の水量で表現すること。
・取水量ベース
水量について言及する場合に、河川水、地下水等の水源から取水された段階の水量で表現すること。

ここでは有効水量ベースで見ていく。国土交通省の「平成28年版 日本の水資源の現況」に生活用水使用量の推移(地域別)(有効水量ベース)がある。1995年の生活用水使用量は141.2億㎥/年で、2000年の144.1億㎥/年まで増加したが、その後減少が始まって、2013年には131.5億㎥/年にまで減少した。生活用水使用量は減少しているのである。温水洗浄便座の普及など水の使用量は増えているのではと感じていたのだが違ったようだ。実際、このレポートの中に「目的別家庭用水使用量の割合」があるが、使用量が最も多いのは風呂で40%である。次にトイレで22%を占めている。にもかかわらず生活用水使用量は減少している。

生活用水の一人一日平均使用量を見てみる。これも減っている。1995年には321.7リットル/人・日だったのが、2013年には289.6リットル/人・日まで減少している。使用量が増えているように感じているのに、実際は減っている。節水対策が功を奏していると見るべきだろう。

では、外国との比較はどうだろうか。水道技術研究センターが「水道の国際比較に関する研究」を行っている。外国の都市の1人1日当たり生活用使用水量(L/人/日)を調査している。これによれば、アメリカ合衆国・ニューヨーク市が295(L/人/日)、カナダ・バンクーバー都市圏が270(L/人/日)、シンガポール151(L/人/日)、イギリス150(L/人/日)、フランス145(L/人/日)等となっている。調査年が不明なデータもあり、目安として見るのがいいのかもしれないが、日本の289.6リットル/人・日はかなり恵まれた環境だと言える。



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生活用水使用量の推移(地域別)(有効水量ベース)

生活用水の一人一日平均使用量の推移(地域別)(有効水量ベース)

目的別家庭用水使用量の割合
出所:国土交通省 平成28年版 日本の水資源の現況

出所:水道技術研究センタ 水道の国際比較に関する研究