放送事業

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9月27日御嶽山が突如噴火し、多くの犠牲者を出し、火山災害としては戦後最悪の被害となった。このため報道も過熱しているが、雲仙普賢岳の時とは放映される映像が決定的に違っている。雲仙普賢岳の時は噴火が起きてから報道陣やカメラマンが現場に入っていったが、今回は東北の震災と同じように噴火が起きた直後から現場で映像が記録されている。登山者たちが現場で撮った映像にテレビなどの報道陣は勝つことが出来ない。テレビの優位性が削ぎ落とされていく光景でもある。今回の噴火映像もテレビよりYouTubeで直接見ている人も多いだろう。
事件、事故、災害の速報だけでなく、多くの場面でテレビの役割が減ってきている。最近は放送業界も広告がインターネットに取られて苦戦しているというのは知っているが、ここで放送業界の売上を簡単にまとめておく。この分野は多くのデータがあるのだが、今回はポピュラーな平成26年版情報通信白書を使って業界の売上をグラフにしてみた。
民放の売上は2004年度には2兆6,153億円の規模だったが、2011年度には2兆2,502億円にまで減少して、2012年度2兆2,870億円に若干戻したものの、これからも回復する兆しは見当たらない。一方、NHKは6,000億円以上の事業収入を維持し、2011年度には7,000億円に迫ろうとした。2014年度には6,629億円に減少したものの、圧倒的なガリバー状態が続いている。グラフにして改めて比較してみると業界の苦難が見えてきそうだ。

放送産業の市場規模(売上高集計)3

民間放送事業者数の推移
出所:平成26年版情報通信白書