三越伊勢丹ホールディングスの社長が業績悪化の責任を取って任期途中で辞任すると報道された。百貨店業界の不振は手の打ちようのない状況に立たされている。小売業の中で百貨店はどのような立場になっているのかデータを見てみた。
経済産業省の商業動態統計・時系列データからまとめてみた。これによると小売業全体の売上高は、平成28年(2016)が139兆8770億円で、その内百貨店の売上は6兆5980億円である。これはスーパー13兆円、コンビニの11兆円の半分でしかない。平成3年(1991)には12兆円を超えていたのが、今では半減してしまった。また日本通信販売協会(JADMA)によると、通販の売上は2015年が6兆5000億円で百貨店売上に追いついている。20年前にスーパーに流通の主役の座を明け渡してから、回復する兆しもなく、役割を終えようとしているのが百貨店の姿に見える。