今年のお盆の交通事故死者数が警察庁から発表された。それによるとお盆時期10日間(8月9日~18日)の交通事故死者数は今年は93人で過去最少となった。
過去10年間の死者数は以下の通り。
2004年226人
2005年184人
2006年172人
2007年208人
2008年145人
2009年119人
2010年123人
2011年151人
2012年121人
2013年102人
2014年 93人
なるほど死者数は確実に減ってきている。しかし交通事故の話題になると、まず何人死んだかということが注目される。死者数がこんなに減少したのなら道路はかなり安全になったに違いない。そこで交通事故のデータをきちんと確認しておきたい。
日本統計年鑑の26-23道路交通事故によると1970年をピークに交通事故死者数は減少してきている。ここで言う死亡者とは道路交通事故の発生から24時間以内に死亡した者をいう。つまり医学の進歩によっても減少すると言うことだ。一方、負傷者数は事故件数に比例して増減を繰り返している。ここ10年は減少してきているものの、2012年だけでも825,396人もの人が負傷している。1970年頃の交通戦争に匹敵する数字である。交通事故で亡くなる人は減ったものの、道路の危険はほとんど改善されていないのが分かる。我々は死亡者が減ったというニュースを見て、道路は安全になったと錯覚しがちだが、データをしっかり押さえて理解したいものだ。
出所:日本統計年鑑
出所:日本の長期統計系列