床屋の数

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10分1000円のヘアカット専門店「QBハウス」が東証1部に上場された。しかし公開価格を6%下回るという厳しいスタートになった。このQBハウスには、創業まもなくの神田美土代町の店舗に通っていた。私のニーズにぴったりの散髪屋だった。しかし、この新しいビジネスは業界との激しい戦いだったことはよく知られている。政治を巻き込んでQBハウスの新規出店を自治体が条例を作って阻止するということまで行ったという。デジタルカメラの登場にフィルムカメラの陣営が、デジカメの販売ができないようにするようなものだ。もちろんカメラ業界はそんなことせずに、遅れて参入したフィルムカメラメーカーは業界のトップになっているが。

では、床屋、散髪屋の実態はどうなっているのだろうか。厚生労働省の「衛生行政報告例」に理容所施設数・従業理容師数のデータがあるので、そこから整理してグラフにしてみた。平成9年度(1997年度)では理容所数は14万2,809店だったのが、平成28年度(2016年度)には12万2,539店にまで減少している。約2万店の減少である。従業理容師数も減少の一途を辿っており、平成9年度(1997年度)25万2,081人が平成28年度(2016年度)22万3,606人、約3万人減っている。理容業界は1980年代にピークを迎え、後継者不在で閉鎖をする個人店もあとを絶たないという。ちなみにQBハウスの店舗数は、国内537店舗、海外117店舗(2018.04.04現在、QBハウス公式サイト)となっている。

放っておいても縮小していく業界なら、新しいビジネスの登場を積極的に取り込むのは当たり前だと思うのだが。
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グラフ_理容所施設数・従業理容師数(全国)

理容所施設数・従業理容師数(全国)

 

 
出典:厚生労働省 衛生行政報告例