東京池袋の大手カルチャーセンターが閉校する。たくさんの講座が消えることになり、受講生や講師は宙に浮いた状態になる。
カルチャーセンターは一時期大ブームになったことがあるが、その後低迷を続けてきたようだ。高齢化社会で時間が自由になる人たちが増えているのだから、習い事や学ぶというニーズは増えたのではと思うが、ことは逆のようだ。
経済産業省の「特定サービス産業実態調査」でカルチャーセンターについて調べているので、そのデータからカルチャーセンターの事業所数、年間売上、受講者数を時系列でまとめてみた。
この調査は標本調査なので、回収率が落ちれば総売上高や総受講者数の数字は小さくなる。そこで1事業所当たりのデータで比較してみる。
平成5年(1993年)では、事業所数592、年間売上高594億8600万円、1事業所当たり年間1億48万円売り上げている。受講者数は、91万9,205人で1事業所当たり1,553人である。
平成14年(2002年)に1事業所当たりの受講者数は1,842人でピークになり、その後増減はあるものの、徐々に減少を続けてきた。直近の平成27年(2015年)では1事業所当たり受講者数は1,221人である。
1事業所当たりの売上は顕著に落ちてきている。以下の通りである。
平成5年 (1993年):10,048万円
平成14年(2002年): 8,660万円
平成17年(2005年): 8,206万円
平成21年(2009年): 8,135万円
平成22年(2010年): 7,291万円
平成25年(2013年): 5,483万円
平成26年(2014年): 7,075万円
平成27年(2015年): 5,559万円
カルチャー事業がさらに縮小していくことは間違いないだろうが、本当にニーズが無いのだろうか、疑問を感じている。