乾燥ナマコの輸出

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石川県の七尾湾でナマコの「けた引き漁」が始まったと報道があった。枠の下に取り付けた爪で海底の砂泥をかき起し,ナマコを獲る漁である。ナマコは日本では生食が一般的だが、中国では乾燥ナマコを水で戻して調理する。日本のナマコは最高級品として評価されている。
日本のナマコは主に乾燥ナマコとして輸出されている。農林水産省の「農林水産物・食品の輸出に関する統計情報」によれば、平成19年(2007年)の輸出額は166.7億円。この内163.4億円が香港向けだ。この年までは中国の経済成長に伴い輸出が増加してきた。しかし、これ以降リーマン・ショックや東日本大震災、円高などの影響を受けて減少してきた。平成21年(2009年)には97.3億円にまで落ちた。その後少し回復しつつも、横ばいで推移してきている。低迷している要因には、塩蔵ナマコの増加もあるという。塩蔵ナマコは1日程度で製造できるので相当量が出回っているようだが、正確な統計データがない。
今後のナマコだが、中国での需要もまだ衰えていないため、輸出拡大は期待できるようである。
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乾燥なまこ(調製)の輸出額・輸出量及び輸出先国の推移

 
出所:農林水産省「平成28年農林水産物・食品の輸出実績(品目別)」(全体版)