東京湾中央防波堤埋立地帰属割合

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東京湾の埋立地の帰属が江東区と大田区の間で争われてきたが、先日その調停案が示された。

そもそも中央防波堤埋立地帰属問題とは何かというと、戦後東京のゴミは東京湾に埋められてきた。それが重大な都市問題として顕在化し、昭和46年(1971)には杉並清掃工場建設にあたって激しい反対運動が起こり、東京ごみ戦争が始まった。このとき新たな埋立地として中央防波堤内側に埋め立てが始まった。それが徐々に規模を拡大して現在のような土地ができたということだ。これに利用価値が出てくると、所有権を争うことになって、今回の調停に至ったというわけだ。

今回問題になっている中央防波堤埋立地は503.2haもの広さがある。5.032平方kmである。争っている江東区の面積が40.16平方km、大田区の面積が59.46平方kmである。今回の調停案では、大田区69.3ha(13.8%)、江東区433.9ha(86.2%)の割合になっている。大田区の取り分が非常に少ないが、妥当な配分だと思う。大田区はかつては中央防波堤付近は、ほとんどが大田区の漁協が海苔養殖場を運営していたと主張しているらしい。しかし、調停案によれば、東京湾内の漁業権者は約330億円の補償により漁業権を放棄したとある。それで今になって権利を主張することには無理があるのではないだろうか。それよりゴミをすべて受け入れざるを得なかった江東区へ大半を帰属させることに理はあると思うのだが。
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別図3

 
出所:東京都 中央防波堤内・外側埋立地の境界に関する調停