鳥取県の琴浦町が鳥取大学などと産官学連携で開発を進めてきた芝収穫機が完成したという報道があった。芝刈り機ではなく、生産した芝を収穫するために使う農機具である。これを産官学で開発をするとはどういうことだろうか。
芝は、整地、種芝植付、除草、追肥という生産工程を経て、切り取り、出荷される。収穫は芝を土からはぎ取って、結束して出荷するが、これを中腰の手作業でやってきていたという。この人手不足、高齢化社会でこの作業に耐えていくのは辛いだろう。そこで芝収穫機の開発ということになったらしい。
では、芝生産はどの位活発にされているのだろうか。農林水産省が「花木等生産状況調査」を実施している。その中に芝の種類別生産状況が毎年報告されているので、そのデータを整理してみた。
平成27年(2015年)の芝の生産状況は表のとおりである。出荷量は、日本芝が397,717(a)、西洋芝が30,347(a)で、合計428,064(a)である。圧倒的に日本芝が多い。金額ベースでは合計73億1,295万円になる。栽培農家数4,191戸で割ると、1戸当たり約170万円でしかない。
地域別では茨城が出荷数量の約60%を占めている。次に多いのが先ほどの鳥取県である。その他、鹿児島、宮崎、静岡、熊本、北海道と続く。
時系列で見ると、1970年からのデータがあるが、出荷数量は、バブル経済崩壊翌年の1992年の8,528haまでは増え続けていたが、その後減少を続けた。しかし2010年代に入ってか僅かだが増加し始めている。