都議会議員選挙が始まったので、今回も東京の状況についてデータをまとめておく。前前回は働くことということで労働力調査。前回は都民のくらしむきということで東京都生計分析調査。今回は東京都の産業についてまとめておく。
東京都産業労働局が「東京の産業と雇用就業 2016」というレポートを出している。産業別事業所数・従業者数(東京都・全国 2014年)のデータによると、東京都には66万2,360事業所あって、日本全体の568万9,366事業所の11.6%を占めている。事業所数が最も多いのは、卸売業・小売業で15万7,973事業所。次に多いのは、宿泊業・飲食サービス業の9万2,967事業所で、産業別の構成比は日本全体の構成比とほぼ同じである。東京が際立っているのは、情報通信業だろう。東京都の情報通信業の構成比は3.4%だが、日本全体では、情報通信業は1.2%と東京の3分の1程度である。
では東京の総生産額(名目)はどうなっているのだろうか。総生産額つまりGDPだが、「都内総生産(東京都 2001~2014年度)」に時系列で列挙されている。ここでは名目で話を進めていく。2001年は94兆7,863億円で、2007年には99兆8,054億円で100兆円に迫った。しかし翌年のリーマンショックで大幅にダウンすることになる。その後持ち直すものの、2014年で93兆103億円でしかない。
この100兆円弱の東京都のGDPだが、他の日本の地域とどの位違うのかを見てみたい。内閣府が出している「県民経済計算(平成13年度 – 平成26年度)」に県内総生産(名目)がある。ここに各自治体のGDPが時系列にまとめられているが、東京都のGDPが先ほどの「東京の産業と雇用就業 2016」のデータと微妙に異なっているので、あくまでも参考値として見る。
2014年度の各自治体のGDPは、東京都が94兆円、次に大阪で37兆円、愛知35兆円、神奈川30兆円、埼玉、千葉が20兆円、兵庫が19兆円、北海道、福岡が18兆円と続く。東京がガリバーのように存在し、東京、神奈川、千葉、埼玉を合わせると164兆円にも上る。日本全体の30%以上を占める。
出所:内閣府 県民経済計算(平成13年度 – 平成26年度)