紀伊民報が和歌山県内で運転代行業者の法令違反が218件あったと報じた。紀伊民報によれば「全国運転代行協会和歌山県支部が支部会議を開いて、違反状況や今後の課題について話し合った」という。
どんな行為が違反になるかというと、代行業者が客を随伴用自動車(業者の車)に同乗させることは法律で禁止されている。これは白タク行為となるのだそうだ。飲食店から駐車場までのわずかな距離であっても同乗させることはできない。保険も損害賠償額は対人8000万円以上、対物・車両200万円以上の保険に加入する義務がある。この辺の違反が多いらしい。
そもそも運転代行業者は増えているのだろうか。業者が増えたから違反も目立つようになってきたのかもしれない。警察庁が「都道府県別運転代行業者数の年別推移(平成14~27年)」を公表しているので見てみる。時系列にデータが取られている。運転代行業は平成14年(2002年)6月「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」が施行されて始まった。この年4,148業者が登録した。随伴車両台数(両)は17,853台だった。平成27年(2015年)末には8,866業者、随伴車両27,382台にまで拡大している。
この代行業者数を平成27年(2015年)のデータでソートして都道府県のランキングにした。トップは鉄道の無い沖縄。当然だろう。次が茨城、福岡、鹿児島、熊本、千葉、秋田と続く。関東、九州、東北と点在している。どんな共通点があるのだろうか。公共交通機関が充実している東京が38位は分かるのだが、大阪が13位とかなり上位に位置している。
GfKジャパンが「運転代行サービスの利用に関する調査」を実施している。運転代行の利用経験でエリア別にデータを取っている。それによると、「東北が48%、北関東と北陸が46%と高かった一方で、首都圏、東海、近畿では10%程度にとどまった。運転代行サービスの利用経験は電車など公共交通網の充実度合いに深く関係することが伺えた。」としている。興味深いデータである。
出所:警察庁 平成28年警察白書 都道府県別運転代行業者数の年別推移(平成14~27年)
出所:自動車運転代行業の概況