長野日報が長野県の「富士見町図書館の2015年度の貸出数が人口1人当たり15.89点で、全国の同規模自治体(人口1万5000~2万人)の図書館の中で最多だった」と報じた。この貸出は本だけでなくCDやDVDといった視聴覚資料も含まれている。とくに71歳以上の人への貸し出しが増えたと伝えている。高齢者が本を読んで生き生きとしている姿はすばらしいと思うが、その分本を買わないで済んだということでもある。CDやDVDを買わなかったということである。全国の図書館の貸出数はどうなっているのだろう。
日本図書館協会が「日本の図書館統計」というものを公表している。公共図書館の経年変化の中に貸出数が時系列でまとめられている。その中から一部抜粋する。
それを見ると、まず図書館が増え続けているのが分かる。図書館数は1986年は1,694館だったが、2016年には3,280館である。倍増に近い。蔵書は1986年の1億2,450万冊から2016年は4億3,696万冊へと増加した。3.5倍である。貸出数は個人・団体合わせて1986年2億3,907万点、2016年が7億2,782万点で3倍になっている。CDやDVDが含まれるので冊ではなく点になっている。この7億2,782万点を日本の人口約1億2,000万人で割ると6点になる。もしこれが本だとすると一人平均年間6冊借りている計算になる。では、日本人一人当たり1年間で何冊の本を買うのであろうか。