都市鉄道の混雑率

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東京都の小池知事は「満員電車ゼロ」の実現を提唱している。そのために総2階建て車両を導入するとしている。一方、大手私鉄各社は、座席指定の可能な通勤ライナーの運行を拡大している。お金を払えば通勤ラッシュ時でも座って行けるというサービスだ。今、平成が終わろうとしてるこの時代になっても通勤ラッシュの混雑が解消されていないことに何か無力感を覚える。
では、鉄道の混雑状況とはどうなっているのかデータで見てみた。まず国土交通省の「都市鉄道の現状」によると、3大都市圏の状況は次の通りである。

東京圏
営業キロ2,459、全国の9%、年間輸送人員14,329百万人、全国の63%

名古屋圏
営業キロ977、全国の4%、年間輸送人員1,113百万人、 全国の5%

大阪圏
営業キロ1,504、全国の5%、年間輸送人員4,647百万人、全国の20%

都市鉄道の路線延長は全国の20%にも満たないが、輸送人員では全国の9割近くを占めている。とくに東京圏だけで6割を超える。
同じく国土交通省の「三大都市圏における主要区間の平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移」を見ると、昭和50年(1975)から混雑率は急速に解消されており、平成15年(2003)で底を打った形になって、その後はゆっくりと低下している。振り返れば昭和50年代は200%以上の地獄のような混雑を経験していたのだ。それと比較したら今はかなり良くなったという見方もあるだろうが、現在でも三大都市圏は120%~160%の混雑率で、楽に通勤できる状態ではないことは明らかだ。200%以上の異常事態と比較できないだろう。




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三大都市圏における主要区間の平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移
出所:国土交通省 都市鉄道の整備