ゴールデンウィーク期間中、JR鹿児島中央駅前アミュ広場でかごしま茶の新茶が勢ぞろいする「平成新茶まつり」が開催された。ただのお茶のお祭りではないかと思うが、鹿児島というところがポイントだ。お茶の産地と言えばだれもが静岡を上げる。昭和に「♪清水港の名物は、お茶の香りと男伊達」と唄われ、静岡イコールお茶のイメージは定着している。
ところが今は違う。農林水産省の作物統計のお茶のデータを見てみる。まず、時系列で見ると、全国の荒茶生産量は昭和34年(1959)79,479tだったが、その後昭和48年(1973)には101,181tと10万トンを超えた。しかし、昭和60年代には減少傾向になり、一時期増加するものの平成22年(2010)には85,000tにまで減った。
最大産地の静岡が昭和50年(1975)の52,989tをピークに荒茶生産量を減らしている。平成24年(2012)には33,400tと3万t台にまで減少した。一方で鹿児島は、昭和34年(1959)には2,693tと静岡47,918tの18分の一でしかなかったのが、平成24年(2012)には26,000tで静岡の33,400tの80%に迫ろうとしている。今、鹿児島は日本のお茶所の座を奪い取ろとしている。
出所:農林水産省 作物統計 作況調査(水陸稲、麦類、豆類、かんしょ、飼肥料作物、工芸農作物)