新潟県内の新規就農者が前年より9人減少し276人だったと新潟日報が報じた。新潟県は県の専業農家数を維持できる水準として年間280人の新規就農者数を目指している。たった280人のように見えるのだが、これが難しいようだ。
日本の新規就農者数はどうなっているのだろう。
農林水産省の新規就農者調査によれば、2012年(平成24年)は56,480人、2015年(平成27年)には65,030人まで増加している。新規自営農業就農者が増えているが、これは家族経営体の世帯員で、学生から自営農業への従事が主になった者である。新規雇用就農者も増えている。これは新たに法人等に常雇いとして雇用され、農業に従事した者である。一方、新規参入者も増えてはいるが実数は小さい。これは土地や資金を独自に調達(相続・贈与等により親の農地を譲り受けた場合を除く。)し、新たに農業経営を開始した経営の責任者及び共同経営者のことである。新規参入がいかに難しいかを物語っているようだ。
そもそも農業従事者はどの位存在するのかというと、「農業労働力に関する統計」によれば2010年(平成22年)には260.6万人いたのが、2016年(平成28年)には192.2万人に減少している。坂を転げ落ちるように減少傾向は続いている。平均年齢はもっと深刻で、2010年(平成22年)66.1歳だったのが、2016年(平成28年)では66.8歳、ほぼ70歳になっている。
人口減少、高齢化、新規参入無し。なんでこんなことになってしまったのか、データを見ているだけであきれ果ててくる。