やっと野菜の価格が安定してきたように感じる。昨年から高値が続いてきた野菜だが、野菜や果物の生産額はどうなっているのだろうか。生産量ではなく、生産金額を時系列で見てみる。
農林水産省の「平成28年生産農業所得統計」に年次別農業総産出額及び生産農業所得というデータがある。そこから野菜と果実の産出額について抜粋してみた。
対象とする農産物の主な品目は下の表にあるように、米、麦、いも、野菜、果実、花きから肉用牛から豚、鶏等畜産物を含めている。その総産出額は以下のように、1960年が1兆9,148億円でその後11兆円を超え、2016年には9兆2,025億円となっている。
農業総産出額
(1960): 1兆9,148億円
(1970): 4兆6,643億円
(1980):10兆2,625億円
(1990):11兆4,927億円
(2000): 9兆1,295億円
(2010): 8兆1,214億円
(2016): 9兆2,025億円
グラフを見ると根菜類は安定して推移している。果実はバブル経済崩壊とともに減少を続けてきているが、ここにきて上昇を始めた。特徴的なのは果菜類と葉茎菜類である。果菜類はバブル崩壊以降のデフレ時代に大きく減少している。一方、葉茎菜類は増減を繰り返してはいるが、徐々に産出額を増やしており、2014年には果菜類9,437億円、葉茎菜類9,576億円とわずかだが果菜類の額を超え、その後さらに差を広げている。
なお農業総産出額のピークは、昭和60年(1985)の11兆6,295億円。果菜類は平成5年(1993)の1兆2,922億円、根菜類は平成3年(1991)の5,237億円、果実も同年の1兆1,025億円がピークで、葉茎菜類については平成28年(2016)がピークで1兆1,031億円を記録している。
野菜の分類は以下の通り。
果菜類
スイートコーン、えだまめ(未成熟)、さやえんどう(未成熟)、そらまめ(未成熟)、さやいんげん(未成熟)、きゅうり、かぼちゃ、すいか、メロン、なす、トマト、いちご、ピーマン、にがうり、オクラ、ししとう等
葉茎菜類
キャベツ、はくさい、非結球つけな、ほうれんそう、ねぎ、たまねぎ、にら、みつば、しゅんぎく、にんにく、らっきょう、レタス、セルリー、カリフラワー、ブロッコリー、こまつな、パセリ、アスパラガス、ふき、みょうが、わさび、しそ、たけのこ、チンゲンサイ、もやし等
根菜類
だいこん、かぶ、にんじん、ごぼう、さといも、やまのいも、れんこん、しょうが、くわい等