瀬戸大橋開通30周年を祝う記念式典が開かれたと報道された。もう30年も経つのかと思う。莫大な建設費を償還できるのかという議論がなされ、償還計画は何度も見直された。
ではその瀬戸大橋は今どうなっているのだろうか。その前にまず瀬戸大橋の概要に触れておく。坂出市のサイトに「瀬戸大橋豆知識」として簡単にまとめてある。
全長 :9,368m
種類 :吊り橋・斜張橋・トラス橋の3種類を併設
総事業費:1兆1,338億円
工期 :約9年半(昭和63年4月10日開通)
瀬戸大橋の日平均交通量(台/日)は平成10年度(1998年度)では1日の推定交通量が17,390台だったが、実績交通量は15,793台に留まった。台数は伸び悩み、平成16年度(2004年度)では推定交通量14,330台に対して実績交通量は13,910台でしかなかった。しかし、最近では平成26年(2014年度)20,869台、平成27年度(2015年度)21,636台、平成28年度(2016年度)22,002台と順調に台数を伸ばしている。状況は変わりつつあると見ていいのだろう。
この総事業費1兆1,338億円とはどの位の規模なのだろうか。身近なところで東京湾アクアラインと比較してみる。会計検査院の平成11年度決算検査報告に「第8東京湾アクアラインの運営について」という項目がある。以下のように記載されている。
検査対象:日本道路公団
東京湾アクアラインの概要:東京湾をトンネルと橋りょうで横断して神奈川県と千葉県を結ぶ一般有料道路として日本道路公団が建設、管理しているもの
建設費:1兆2,323億円
平成11年度末における要償還額:1兆4,437億円
建設費1兆2,323億円、瀬戸大橋と同規模である。ではアクアラインの日平均交通量はどのくらいかというと以下の通り。
平成28年度:45,585台
平成27年度:44,044台
平成26年度:42,543台
瀬戸大橋の倍の台数である。これでもアクアラインの返済は厳しいと言われているに、瀬戸大橋は大丈夫なのだろうか。