米中がお互いに報復的な関税を課す貿易戦争が繰り広げられている。いずれ日本にも影響が出てくるのだろうが、経済が世界規模で動く限り、このような争いは虚しい結果になるのだろう。
経済がグローバル化すると言われて久しいが、日本の企業もかなりの数が海外での事業活動を活発化している。それは海外現地法人の数を見ればはっきりする。
経済産業省が「海外事業活動基本調査」というものを実施している。調査の目的は「海外事業活動基本調査は、我が国企業の海外事業活動の実態を明らかにすることにより、各種施策の企画、立案、実施のための基礎資料を得ることを目的としています。」としている。
本調査によれば、2016年度(3月末現在)の海外現地法人数は2万4,959社。この年は若干減少しているものの、今までずっと増加してきている。具体的には以下の通りである。
海外現地法人数推移
06年度:16,370
07年度:16,732
08年度:17,658
09年度:18,201
10年度:18,599
11年度:19,250
12年度:23,351
13年度:23,927
14年度:24,011
15年度:25,233
16年度:24,959
国別で見ると中国が圧倒的に多い。2016年度で、中国が6,363社でトップ。続いてアメリカ2,998社、タイ2,179社、香港1,163社、シンガポール1,106社、インドネシア1,027社の順である。やはりアフリカは少ない。南アフリカ65社、リベリア28社が目立つくらいだ。
本調査によれば、製造業の海外生産比率は低下傾向にあり、現地法人の売上高も減少しているという。一方で海外現地法人の従業者は増えており、非製造業の伸びが顕著になっている。