肉牛と畜頭数

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自宅で牛や豚を飼っていて、大きくなったからみんなで食べようと思い、庭で殺して肉にしようと思っても、法律で禁止されているので出来ない。都会だったらそもそもそんなことやらないだろうが、農家だったら飼っている豚を食べてもいいと思うのだが。もちろん許可を得ればできるそうだ。

野菜は生きたまま熱湯に入れるし、魚も生体を捌く場面は日常生活で目にすることも珍しくない。しかし肉は殺す場面、つまりと殺は全くのブラックボックスになっているので、後ろめたさも何もなく食べている。

牛や豚はどこでどのくらい殺されて食卓に並んでいるのだろうか。厚生労働省の「平成28年度食肉検査等情報還元調査」で牛のと殺データを見てみた。2016年度は全国で104万3,211頭がと殺されている。自治体別に見ると上位5自治体は以下の通り。

北海道 :22万2,315頭
鹿児島県: 9万8,338頭
東京都 : 8万8,309頭
兵庫県 : 5万6,757頭
宮崎県 : 4万9,340頭

北海道が約22万頭で圧倒的だが、次に鹿児島で、3位に東京が位置している。東京が9万頭近くと殺している。やはり最大の消費地だからと殺量も多いのだろうが、と殺を東京で行っているとは意外だった。東京の「と場」は、JR品川駅東口のそばにある東京都中央卸売市場食肉市場(芝浦と場)である。ここで食肉解体(と畜解体)され、食肉市場でセリにかけられ、店頭に並ぶことになる。東京のと殺頭数8万8,309頭を1年365日で割ると、1日当たり約240頭だ。大変な作業だと思う。にもかかわらず、食肉処理に従事する人々に対する人権侵害が起きていると品川区のサイトにある。

海外ではどのくらいと殺されているのかというと、農畜産業振興機構の海外統計資料に各国のデータがあるので、アメリカとオーストラリアの肉牛のデータを見てみる。やはりアメリカはダントツで、2016年度3,057万8千頭。日本の30倍。オーストラリアは、2016年度697万4千頭で日本の7倍近くもある。この国の「と場」はどの位の規模なのだろうか。
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食肉検査等情報還元調査 2016年度米 国

豪 州

 

 
出典:厚生労働省 食肉検査等情報還元調査
 
出典:農畜産業振興機構 海外統計資料