厚生労働省が一般職業紹介状況(平成29年10月分)を発表した。平成29年(2017年)10月の数値をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.55倍となり、前月を0.03ポイント上回った。新規求人倍率(季節調整値)は2.36倍となり、前月を0.10ポイント上回った。
産業別、職業別求人数の長期時系列表を整理してみた。職業別求人数の推移を見ると、合計値は平成25年(2013年)から平成28年(2016年)まで増加している。ほとんどの職業が増加してきているが、赤で示した職業は減少している。
開発技術者:平成25年(2013年)78,482人が平成28年(2016年)72,178人に減少。
建築・土木・測量技術者:平成25年(2013年)219,074人が平成28年(2016年)216,010人に減少。
医師、歯科医師、獣医師、薬剤師:平成25年(2013年)88,756人が平成28年(2016年)79,812に減少。
保健師、助産師、看護師:平成25年(2013年)423,850人が平成28年(2016年)415,736に減少。
販売類似の職業:平成25年(2013年)40,201人が平成28年(2016年)28,116に減少。
一方、産業別、規模別求人数を見ると、金融業,保険業以外はすべて求人数を増やしている。金融業、保険業の状況は以下の通り。
金融業,保険業:平成21年(2009年)84,489人あった求人数が平成28年(2016年)には73,876人に減少している。
産業別というより企業の従業員規模別に顕著な違いが次のように表れている。
求人数増加
29人以下:平成21年計3,355,649人→平成28年計7,155,760人
30~99人:平成21年計1,633,636人→平成28年計2,457,365人
100~299人:平成21年計815,850人→平成28年計897,819人
求人数減少
300~499人:平成21年計198,154人→平成28年計185,384人
500~999人:平成21年計138,523人→平成28年計127,234人
1,000人以上:平成21年計131,048人→平成28年計104,818人
従業員数300人未満はすべて求人数を増やしているが、300人以上はすべて求人数を減らしている。好調な求人の増加は中小零細企業が支えていることが分かる。
出所:厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) 長期時系列表