先日、来年4月に本格的に開校する高知県立林業大学校の新校舎が完成し落成式が開かれたという報道があった。近年、就業前の若手林業技術者の教育・研修機関を新たに整備する動きが広がっていて、各地で林業大学校が相次いで開校されている。
林野庁の「平成28年度 森林・林業白書」によれば、平成23(2011)年以前からある6校に加え、平成24(2012)年4月に「京都府立林業大学校」が開校したほか、平成26(2014)年に「みやざき林業アカデミー」、平成27(2015)年には、「秋田林業大学校」及び「高知県立林業学校」が設置されるとともに、平成28(2016)年には「山形県立農林大学校」、「ふくい林業カレッジ」、「とくしま林業アカデミー」及び「おおいた林業アカデミー」が設置され、若手林業技術者が育成されている。また、岩手県、兵庫県及び和歌山県で平成29(2017)年に新設が予定されている。
大学校とは何か。まず大学は文部科学省が管轄する学術研究および教育最高機関であることは周知の通りである。学校教育法に基づいて設置される。一方、大学校だが、文部科学省が管轄する機関ではない。学校教育法に基づいてもいない。通常、教育訓練施設などの名称として用いられる。このため、どのような施設でも「大学校」と名乗ることができる。
林野庁の「森林・林業に関する学科・科目設置校一覧表(大学校)平成29年4月現在」によると、大学校の数は17校。
東北
岩手、秋田、山形の3校
関東
群馬に1校
中部
福井、長野、岐阜、静岡の4校
近畿
京都、兵庫、和歌山の3校
中国
島根1校
四国
徳島、高知の2校
九州
熊本、大分、宮崎の3校
この他に森林・林業に関する学科・科目設置している大学が28校(平成29年4月現在)ある。
今後も、就業前の若手林業者の教育・研修機関として林業大学校等を新たに整備する動きが広がって行くと見られている。