国土交通省が建設労働需給調査結果(平成29年9月調査)を公表した。建設労働需給調査(通称「労働モニター調査」)とは、建設技能労働者の需給状況等を職種別・地域別に毎月把握する調査である。つまり労働者が不足しているのか、過剰なのかを調べている。
グラフは建設技能労働者6職種の合計値の推移である。型わく工(土木)、型わく工(建築)、左官、とび工、鉄筋工(土木)、鉄筋工(建築)の6職種である。上のプラスは労働者が足りないということ。下のマイナスは労働者が余っている割合である。
平成3年(1991年)、それまで上昇していた不足率が、一気に冷え込んだ。バブル経済の崩壊である。その後は低空飛行で推移していくが、まだ過剰にはなっていない。平成10年(1998年)にマイナス、つまり労働者が過剰に転じる。この年は名目GDPがマイナス2.0%と大きく落ち込んだ年である。平成18年(2006年)になると再び労働力不足になる。平成14年(2002年)に始まった景気回復が、平成18年(2006)年11月に57ヶ月を超え、「いざなぎ景気」を上回ったとされた時である。平成20年(2008年)に起きたリーマンショックによって労働者は大幅に過剰になっていく。そして現在は1.8%(平成29年(2017年)9月)不足にまで回復している。
職種別に見ると、平成22年(2010年)以降、不足が続いているが、職種別にみると、型わく工、鉄筋工の不足が大きくなっている。
出所:建設労働需給調査 建設労働需給調査結果(平成29年9月調査)