長良川鵜飼の鵜舟の船頭であり、川漁師の方がクラウドファンディングを使って天然鮎販売を兼ねたカフェをオープンしたと岐阜新聞が報じた。川漁師が今も漁を生業としている。それほど多くはないと思うが、淡水域での漁業がどうなっているのかあまり話題にならない。
農林水産省の漁業センサセスで内水面漁業に関する統計を調べてみた。ここに「経営組織別及び都道府県別統計 – 内水面漁業経営体数」というデータがあるので、2003年、2008年、2013年の3年分を比較できるように整理してみた。
まず、内水面漁業とは農林水産省サイトでは以下のように定義されいている。
共同漁業権の存する天然の湖沼その他の湖沼で農林水産大臣が定める湖沼(以下「調査対象湖沼」という。)において水産動植物の採捕の事業又は内水面(浜名湖、中海、加茂湖、猿澗湖、風蓮湖及び厚岸湖は除く。以下同じ。)において営む養殖業をいう。
つまり、海ではなく、川や湖、沼、池、用水路などの内水面で営まれる漁業のことである。対象は、鯉や鮎、ワカサギやドジョウなどだが、最も多いのはシジミである。
内水面の経営体総数を見ると、2003年7,474、2008年6,478、2013年5,503と減少を続けている。養殖ではなく、湖沼で実際に漁業を営んでいる経営体の総数は、2003年3,124、2008年2,850、2013年2,484とこちらも減少の一途である。
地域別に見てみる。やはりトップは琵琶湖を擁する滋賀県で621の経営体が存在する。次は宍道湖のある島根県470。シジミの漁獲量が大きい。3位は青森県で446。青森の内水面漁獲量は平成28年(2016)、北海道に次いで第2位である。シジミが全体の6割を占めている。4位は2008年までは2位だった茨城県の417。国内第2位の湖面積を持つ湖・霞ヶ浦がある。
データを見る限り、内水面漁業の将来はかなり厳しい。漁業全体が厳しい状況にあるが、大きな転換でもない限りジリ貧は続くと思われる。
出所:農林水産省 漁業センサス