「2017年1~6月の神戸市内の救急出動件数が4万641件(前年比1,643件増)に上り、初めて上半期で4万件を超えた」と神戸新聞が伝えた。救急出動が増え続けていることは知っているが、人口約150万人の神戸でも半年で4万を超える出動件数になっている。
全国の救急出動の件数については、消防庁が「平成28年の救急出動件数等(速報値)」として公表している。これによると救急自動車による救急出動件数と搬送人員数の推移は表の通りである。
平成19年(2007)の救急出動件数は529万0,236件。平成28年(2016)には621万0,082件で約92万件も増加している。毎年10万件増えていることになる。小さな数字ではない。
事故種別に見ると、圧倒的に多いのが急病で60%以上を占める。次が一般負傷で約15%。近年交通事故は死亡や負傷が減っていると言われているが、それでも50万件前後の救急出動がされている。約50万人もの人が事故で運ばれている。とても安全な交通機関とは言えないだろう。
さて先ほどの神戸市だが、2017年の半期で救急出動が4万件、通期だと単純計算で8万件になる。第68回東京消防庁統計書(平成27年)によれば、弊社がある東京都練馬区の救急出場件数は年間3万4,465件。人口は神戸市の半分以下の72万人。人口150万人に換算すると約7万2000件になる。どちらもほぼ同じと見るか、練馬の方がまし見るか。いずれにしても状況は悪化の一途である。
出所:消防庁ホーム報道発表 「平成28年の救急出動件数等(速報値)」
出所:東京消防庁 第68回東京消防庁統計書(平成27年)