宮城県の石巻市は、「東日本大震災後に整備した産業用地などへの企業誘致を進める戦略基本構想の策定に取り組む」と三陸河北新報が報じた。市外の企業にアンケートを行い、立地意向やニーズなどを把握して、成長産業など誘致対象を検討するという。
今後、復興を確実なものにするには企業誘致は欠かせない。とくに成長産業の企業を増やしていくということは切実な課題であろう。
では石巻に関わらず、自治体別の企業の数はどのようになっているのだろうか。中小企業庁が「都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者数」を公表しているので見てみる。
2014年の中小企業数は380万9,228社で、その内小規模企業は325万2,254社である。大企業は1万1,110社で合計382万0,338社という結果になっている。つまり全部で382万社あって、大企業が約1万社。それ以外は中小企業ということだ。その大半が小規模企業である。時系列で並べてみる。
2014年
中小企業数:380万9,228社
小規模企業:325万2,254社
大企業 : 1万1,110社
2012年
中小企業数:385万2,934社
小規模企業:334万2,814社
大企業 : 1万0,596社
2009年
中小企業数:420万1,264社
小規模企業:366万5,3614社
大企業 : 1万1,926社
2009年と比較すると、全体の企業数は大きく減少している。
都道府県別では東京の企業数が圧倒的に多いのは当然だが、最も少ないのは鳥取である。1万7,143社で2万社を切っている。これは大都市別企業数最下位の千葉市の1万7,426社とほぼ同じである。
次に先ほどの宮城県について見ると以下のようになる。
宮城県2014年
中小企業数:6万1,685社
小規模企業:5万2,151社
大企業 : 134社
宮城県2012年
中小企業数:5万9,565社
小規模企業:5万1,274社
大企業 : 135社
宮城県2009年
中小企業数:7万1,928社
小規模企業:6万2,968社
大企業 : 163社
宮城県も震災を挟んで企業数は激減している。7万社あった企業が1万社以上減少した。しかし震災の翌年と比較すると企業数は増えている。人口減少の中にあって、企業を増やすということは簡単ではないが積極的な取り組みが結果を出しつつあるのだろうか。
<用語>
(1) 大企業
総数のうち(2)及び(3)に該当しない企業
(2) 中小企業
ア 製造業、建設業、運輸業その他の業種:資本金3億円以下又は常用雇用者規模300人以下
※ゴム製品製造業は、常用雇用者規模900人以下
イ 卸売業:資本金1億円以下又は常用雇用者規模100人以下
ウ サービス業:資本金5000万円以下又は常用雇用者規模100人以下
※ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業は、資本金3億円以下又は常時雇用者規模300人以下
※旅館・ホテル業は、常時雇用者規模200人以下
エ 小売業:資本金5000万円以下又は常用雇用者規模50人以下
(3) 小規模企業
ア 製造業、建設業、運輸業その他の業種:常用雇用者規模20人以下
イ 商業、サービス業:常用雇用者規模5人以下
※宿泊業・娯楽業は、常用雇用者規模20人以下
都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者数(民営、非一次産業、2014年)
都道府県別企業数、常用雇用者・従業者数(民営、非一次産業、2012年)
都道府県別企業数、常用雇用者・従業者数(民営、非一次産業、2009年)