信州大学が「信州ソルガム高度活用研究プロジェクトキックオフシンポジウム」を開催した。ソルガムは小麦やトウモロコシに代わるグルテンフリーの穀物として近年注目されている。プロジェクトは、基礎研究はもとより、食品開発などの社会実装まで、信州ならではの食資源として活用することを目的としている。
ソルガムとは何なのか。見たこともない。しかし、世界ではムギ、イネ、トウモロコシと同じ主要穀物の一つである。日本ではキビの一種としてタカキビと呼ばれている。しかし、これもよく分からない。中国名のコーリャン(高粱)と言えば聞いたことがある人も多いだろう。映画好きだったら張芸謀(チャン・イーモウ)の初監督作品「紅いコーリャン」で知っていると思う。
このソルガムだが、我国ではほとんど飼料作物として栽培されている。それが今、グルテンフリーの穀物として注目されている。グルテンとは小麦タンパクの一種で食物アレルギーの原因とされている。そこで、ノンアレルゲン食材ソルガムが期待され始めているということである。
では、ソルガムはどの位生産されているのだろうか。さっそく作物統計を見てみる。作物統計ではソルガムはソルゴーとしてデータが取られている。ソルガムにはソルゴー、スーダン等いくつかのタイプがあって、ソルゴーはサイレージ利用に適している。サイレージとは、飼料作物をサイロなどで発酵させたものを言う。
時系列データを見ると、昭和58年(1983)の収穫量が254万7,000トンだったが、その後徐々に減少していき、平成23年(2011)には、93万9,200トンと100万トンを切った。さらに減少は続き、平成28年(2016)には、65万5,300トンにまで落ちてしまった。
一方、財務省貿易統計(輸入)でグレインソルガムの輸入を見ると、平成元年(1989)は、424万4,413トンも入っていた。こちらも減少が続いており、平成28年(2016)には、63万2,245トンでしかない。ちなみにグレインソルガムとは、トウモロコシと同等の栄養価がある重要な動物飼料である。またパンやクッキー等食用としても利用されている。
出所:農林水産省 作物統計 作況調査(水陸稲、麦類、豆類、かんしょ、飼肥料作物、工芸農作物)