都議会議員選挙が始まったので、今回は過去の選挙の投票率についてまとめておく。東京都選挙管理委員会事務局に過去の投票率一覧がある。今回は、都議会議員選挙投票率、都知事選挙投票率、区市町村議会議員選挙投票率(統一分)、区市町村長選挙投票率(統一分)について時系列で見てみる。
まず都議会議員選挙投票率。直近の2013年6月23日の選挙では、投票率43.50%だった。ひどい数値だが、これが最低ではない。1997年7月6日の選挙では投票率40.80%を記録している。戦後最低である。戦後最初に実施された1947年4月30日の選挙では、63.28%の高い投票率だった。1959年4月23日には70.13%という投票率を記録している。その後は下がる一方で、現在の40%台に落ちている。
次に都知事選挙投票率だが、こちらも戦後まもなく実施された1947年4月5日の選挙では投票率61.70%を記録しているが、長期政権になると40%台に落ちている。しかし、2012年12月16日の都知事選では62.60%という高い投票率を示したこともある。都議会議員選挙よりも話題性もあるため、年によってばらつきはあるものの、投票率は高めで推移していると言えよう。
ところが区市町村議員、区市町村長選挙になると、戦後から1970年あたりまでは60%以上の高い投票率を維持してきたが、その後落ち始め、近年はどちらも40%で推移するようになった。
最近の都議会議員選挙(平成25年6月23日執行) 投票結果を詳細に見てみよう。投票率は43.50%だった。23区では北区が最も高く48.89%の投票率である。一方、港区と渋谷区は30%台の投票率で、港区が32.52%、渋谷区が35.66%でしかない。ひどいものである。これが市や町村になるとさらに低いデータが珍しくなくなる。
投票率はすべての有権者の内、どれだけの人が投票に行ったかで計算される。しかし有権者であることを放棄しているような人もいるので、その人たちを除いて計算すれば、投票率はそれほど低くはならないのかもしれない。まもなく東京都議会選挙が実施されるが、30%台程度の投票率の選挙にどのような意味があるのか。むしろ選挙は利用できると歓迎する向きもあるだろう。