高知県の株式会社ミロクが2017年4月中間連結決算を発表した。ミロクは実質的に国内唯一の猟銃メーカーである。決算を見ると猟銃事業が好調だ。ほとんどがヨーロッパへの輸出だそうだ。
では日本国内で猟銃の生産はどう推移してきたのだろうか。総務省統計局の「日本の長期統計」によれば、猟銃の生産量が、昭和60年(1985)に20万8,999挺。平成5年(1993)に24万9,283挺でピークを迎え、その後減少してきた。データは平成16年(2004)の18万6,540挺までしかない。それ以降は統計が変更されて猟銃の項目が統合されている。
しかし、猟銃メーカーは日本に実質1社しかないので、ミロクの猟銃事業の売上高から推定する。
ミロクの財務データによると、猟銃事業売上高は2012年56億61百万円、2013年62億94百万円、2014年73億28百万円、2015年71億72百万円、2016年75億34百万円と順調に伸びている。
猟銃の国内生産が順調だということは分かったが、そのほとんどは輸出で国内販売はごく少数である。平成28年警察白書によれば、許可を受けた銃砲刀剣類の数の推移で猟銃を見ると、平成23年の22万171件から平成27年では17万5,221件と減少が止まらない。このまま減少が続くのだろうか。獣害対策のために狩猟の免許所持者の確保が叫ばれている昨今の状況を見ると、今後は少しは好転するのではないだろうか。
出所:株式会社ミロク投資家情報 グループ売上高(セグメント別)