テレ玉が「昨年度、埼玉県労働相談センターに寄せられた相談件数は過去最多となり、このうち、パワハラなどに関する相談が大幅に増加したことがわかりました 」と報じた。相談件数が過去最多ということは、埼玉県の労働環境が悪化しているということか、もしくは相談しやすい環境が整ってきていると見るべきか判断はできないが、あまりいいことではないとは言えるだろう。
全国ではこの労働相談件数はどうなっているのだろうか。厚生労働省の「平成27年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を見てみる。総合労働相談件数は平成27年度(2015)が1,034,936件で、ここ数年は100万件台で推移している。一方、個別労働紛争相談件数は平成27年度(2015)が245,125件。こちらもここ数年は25万件前後で推移している。どちらも多いという印象だ。労働相談なんてよほどのことがなければ気軽にできるものではない。それが100万件というのは多いだろう。ちなみにこの相談は、労働者、事業主どちらからでも可能。この報告書では「相談者は、労働者(求職者を含む)が 200,969件(82.0%)と大半を占めており、事業主からの相談は24,507件(10.0%)であった。」とある。雇う側からの相談も1割程度はあるようだ。
個別労働紛争相談件数の推移(相談内容別)データを時系列で見ると、いじめ・嫌がらせが平成18年度(2006)の10.3%が平成27年度(2015)には22.4%に増加している。相談内容のトップになっている。先ほどの埼玉県の労働環境は日本の縮図だということが分かった。