豚肉の生産・輸入量とブランド化

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茨城新聞が「茨城県産の新たなブランド豚(銘柄豚)の導入に向け、県は本年度、生産体制の整備に乗り出す。」と報じた。2018年の販売開始を目指すということだが、来年である。ブランド豚はそんなに早く作れるものなのだろうか。
豚肉市場は供給も需要もともに安定した市場で大きな変化がない。成長市場でもない。となると次は差別化である。生産者はブランド化によって新たな展開を目指すことになるだろう。

ブランド化の事例として有名な沖縄のブランド豚肉「あぐー」のいきさつについて見てみる。
農畜産業振興機構の『 畜産の情報2016年5月号・沖縄県産豚肉の競争力強化の取り組み~ブランド豚肉「あぐー」の生産と輸出を中心に~』に詳細が書かれている。

<抜粋>
戦前までは一般的に飼養され食べられていたアグーだが、産子数が少なく、小柄で食肉の生産効率が悪いという理由から、戦後は西洋種の導入によりその数が激減していた。そのため、まずは県内全域からアグーを集めて旧経済連畜産実験農場(島尻郡東風平町、現在の八重瀬町)で集中管理し、維持増殖の交配が試みられた。
(中略)
肉質の分析結果が良かったことから、旧経済連は、8年12月25日にあぐーの商標権を取得し、農協Aコープにて販売展開を始めた。しかし、当時の沖縄県内での消費は赤味肉が好まれており、脂身の割合が高いあぐーは消費者から敬遠され、店舗では特売で一般豚よりも価格を下げて販売されることもあった。

豚肉のブランド化には時間もかかり、すぐに売れ行きが良くなるわけでもないことが実証されている。
ちなみに日本の豚肉の生産・輸入・輸出量は、2015年度生産887,601トン、輸入825,617トン、輸出450トンで20年間大きな変動はなく、減少も増加もしない無風状態が続いている。つまり大きな失敗も少ないということだろう。




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豚肉需給表

 

豚肉の国別輸入量
出所:農畜産業振興機構 調査・報告 畜産の情報 2016年5月号