この連休中、熊本県天草市で「天草西海岸陶器市 春の窯元めぐり」が開催されている。天草陶石は、日本で産出される陶石の8割を占めると言われる。その天草の窯元めぐりは陶芸好きには楽しみだろう。
陶磁器と言えば食器や美術品を思い浮かべるが、それだけではない。便器や浴槽、タイルから電柱などに取り付けられている絶縁体の碍子(がいし)なども陶磁器である。日本中の便器などいったいどの位あるのだろうか。陶磁器の生産統計を見てみた。
経済産業省生産動態統計年報の資源・窯業・建材統計編 平成28年(2016)統計表によると、タイル、衛星用品、電気用品、食器などに分けられて統計が取られている。タイルの生産数量は減少傾向が続いている。ここでいう受入数量とは輸入や他の企業から購入したもので、これが圧倒的に多い。気になる便器だが、大便器は2016年が生産数量1,848,808個、受入数量910,880個となっている。小便器は生産数量159,531個、受入数量は99個でしかない。大便器は生産・受入合わせて270万個以上になる。小便器が16万個と少ないのは意外だった。いずれにしても各品目とも生産数量は減少傾向にあることがわかる。