河北新報によると、「宮城県警による特殊詐欺注意報の発令件数が急増している。大型連休中は帰省が増え、息子や孫をかたった「おれおれ詐欺」がしにくくなる。県警は「詐欺グループが連休前に荒稼ぎしようと、電話をかけまくっている可能性がある」と注意を呼び掛けている。」ということだ。詐欺にも時機があるようだ。
特殊詐欺には、オレオレ詐欺、架空請求詐欺などニュースで頻繁に目にするものがあるが、それ以外にも、融資保証詐欺、還付金詐欺、ギャンブル必勝法情報提供詐欺、異性との交際あっせん名目詐欺など、形態はさまざまだ。
警察庁が特殊詐欺の種類別に統計を取っているのでデータを整理してみた。
特殊詐欺全体では平成16年(2004)の振り込め詐欺が25,667件、被害総額283億78百万円。平成27年(2015)では、振込詐欺以外も加わって13,824件、被害総額は481億97百万円に増加している。
オレオレ詐欺は平成27年(2015)では、5,828件、被害総額は175億09百万円。
架空請求詐欺は平成27年(2015)では、4,097件、被害総額は187億52百万円。
融資保証金詐欺は平成27年(2015)では、440件、被害総額は5億63百万円。
還付金等詐欺は平成27年(2015)では、2,376件、被害総額は25億45百万円。
金融商品等取引名目の特殊詐欺は平成27年(2015)では、663件、被害総額は67億33百万円。
ギャンブル必勝法情報提供名目の特殊詐欺は平成27年(2015)では、271件、被害総額は13億75百万円。
異性との交際あっせん名目の特殊詐欺は平成27年(2015)では、47件、被害総額は1億59百万円。
その他の特殊詐欺は平成27年(2015)では、102件、被害総額は5億57百万円。
それにしても、いろいろな詐欺を考案するものだ。年間数百億の被害がコンスタントに出ている。言い換えれば一つの市場が形成されているように見える。これだけ安定して金額が伸びているということは、取り締まり方法が間違っているということでもある。もし普通の商品でこんなに安定して市場が成長していたら新規参入が相次ぐだろう。