原子力損害賠償

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一昨日、東日本大震災6年で様々なイベントが行われた。今年は原発避難いじめが大きく扱われた。なぜ被害者が叩かれるのか。この震災に限ったことではなく、水俣病やその他災害でも被害者を差別したり排除するということは珍しくない。とくに賠償金という金銭にかかわる妬みは大きな原因になっている。
では賠償金がどの位支払われているのか、正確な数値を知っておく必要はあると思う。東京電力がサイトで「賠償金お支払い状況」を公開している。
今回は文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の配布資料を見ることにする。その中の「(審44)資料4 原子力損害賠償のお支払い状況等」を抜粋した。それによれば、2016年12月末現在の個人の方に対する賠償の合意状況では、単身世帯の個人賠償は約1200万~約1800万円。2人世帯が約2400万~約3700万円。4人世帯が約5000万~約7400万円。宅地建物や田畑があればさらに追加される。普通の人が普通に働いていて、まとめて一気に手に入る金額ではない。しかし交通事故や労働災害などの賠償金は大きなって来ているので、この額がそれほど驚くものでもないだろう。
被害にあってもこれだけの額が手に入ったのだから満足だろうと思う人たちがいる。それが差別やいじめにつながる。逆に不満足な金額で被害者たちは納得するだろうか。自分に置き換えて考えれば明らかだ。納得しない。しかし、自分の隣に賠償金1億円をもらった人がいたら複雑な気持ちになるかもしれない。




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個人の方に対する賠償の合意状況
出所:文部科学省・原子力損害賠償紛争審査会(第44回)配付資料(審44)資料4 原子力損害賠償のお支払い状況等