また鉄道事故が起きた。東京都府中市の京王線分倍河原駅で、中学2年の男子生徒がホームから転落して、進入してきた列車が男子生徒の上を通過したが、車両と地面のすき間にいた生徒には大きなけがはなかったという。死亡事故のような悲惨な結果にならなかったので本当に良かった。
ところで相変わらず鉄道事故は多いと思う。そもそも鉄道事故は減っているのだろうか。人身事故で遅れが出ることは日常的であることに変わりはない。状況はどうなのか、国土交通省の「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成27年度)の公表について」を見てみた。
30年前と比較すると事故件数、負傷者数、死亡者数ともに減少している。しかし近年はほぼ横ばい状態で減少しているとは言い難い。事故の原因は、大まかに言うと、踏切障害が30%、人身障害が60%となっている。ここには自殺は含まれていない。踏切事故は着実に減少しているが、一方で線路内立ち入りやホームからの転落といった人身障害は減ってはいない。今後はホームドアの設置などで減少していくのだろうが、鉄道が危険であることは変わらないようだ。
ちなみに、1991年は信楽高原鉄道事故、2005年はJR福知山線脱線事故が発生した年のデータである。
出所:国土交通省・鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成27年度)の公表について