患者数

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iPS細胞を使って網膜細胞を作り移植に成功、またiPS細胞で軟骨の病気を再現するなどiPS細胞の成果が相次いで報道されている。ますます期待が膨らむiPS細胞だが、iPSの技術を待っている患者はいったいどの位いるのだろうか。調べてみた。
患者については厚生労働省が患者調査というものを行っているので、これを見てみる。
平成23年(2011)患者調査の概況の推計患者数によると全国(宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏及び福島県を除く)の医療施設で受療した推計患者数は、平成23年10月、入院が134万人、外来が726万人とされている。

また統計表13の総患者数,性・年次・主な傷病別には時系列で各傷病別の患者数が示されている。

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ここでいう総患者数とは以下のように定義されているので注意したい。
調査日現在において、継続的に医療を受けている者(調査日には医療施設を受療していない者も含む。)の数を次の算式により推計したものである。
総患者数=入院患者数+初診外来患者数+再来外来患者数×平均診療間隔×調整係数(6/7)
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患者数が最も多いのは高血圧性心疾患である。そして患者数も急増している。高血圧性心疾患とは高血圧が原因で左心室の壁が肥大し心機能に障害が起こる疾患で、患者は2011年で906万人にも上る。高血圧性心疾患と比較すると患者数は少ないものの急激に増加してきているのがアルツハイマー病である。グラフでは右肩上がりの急勾配で推移している。2011年には36万人を超えているが、この勢いで増えていくとすぐに100万人を超えるだろう。骨折も増えている。高齢化社会が進展する限りこの傾向はさらに深刻化するのだろうが、一方で、糖尿病や高脂血症の患者も増加してきている。高血圧とともに生活習慣病である。2011年、糖尿病患者は270万人、高脂血症患者は188万人にも上る。
iPS細胞の活躍の場は無限にあると見ていいのだろうか。

主な傷病別総患者数推移① (単位:千人)

主な傷病別総患者数推移② (単位:千人)

統計表13総患者数主な傷病別
出所:厚生労働省・平成23年(2011)患者調査の概況