一昨日、世界遺産に登録された富岡製糸場に行った帰りに「こんにゃくパーク」に寄ってきた。こんにゃくの製造工程が見学でき、こんにゃくバイキングも楽しめる。株式会社ヨコオデイリーフーズが運営している。こんにゃくバイキングでは様々なこんにゃく料理が揃っていて、普段食べられないこんにゃくメニューに驚く。こんにゃくラーメン、カレーこんにゃく等、こんなに美味しいのなら、こんにゃくはさぞ売れているのではないだろうかと思い、こんにゃく生産統計を確認してみた。ちなみにこんにゃくパークのある群馬県は日本のこんにゃくの90%以上を生産している。
さっそく作物統計の長期統計を見てみる。昭和元年から統計が残っているので楽しい。昭和元年のこんにゃくいも収穫量は55,000トン、戦中戦後は大きく落ち込み、昭和25年を境に一気に生産は拡大していく。昭和42年には収穫量131,300トンでピークを迎える。その後大きな変動を繰り返しながら徐々に減少を続け、直近の平成25年では65,393トンにまで減ってしまった。あんなに美味しいこんにゃくが右肩下がりで減少が続いているとは悲しくなる。それにしても収穫量の大きな変動は気になる。調べてみるとこんにゃくが栽培される中山間地は天候が不安定ということと、こんにゃくいもは連作障害等の影響を受けやすい性質をもつことから収穫量が大きく変動してしまうそうだ。
グラフでは平成元年(1989年)から日本こんにゃく協会が推計した荒粉換算量と精粉換算量を記載している。これはこんにゃくは収穫した後スライスして乾燥する。この段階のものを荒粉と呼ぶ。さらにこれを粉砕機で粉状にしたものが精粉と呼ばれている。これを使ってこんにゃくが作られる。
さてこんにゃくの収穫量は減少が続いているが、それなら輸入は増えているのではないだろうか。農林水産統計 平成25年産こんにゃくいもの栽培・収穫面積及び収穫量によると輸入は平成24年739トンで平成20年の329トンから倍以上に増加している。輸入形態は前述した荒粉、精粉で、ミャンマーが半分以上占め、近年はラオスが急速に増えている。
出所:作物統計(普通作物・飼料作物・工芸農作物)収穫量累年統計
出所:日本こんにゃく協会