2.戦後日本の人口

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その前に戦後日本の人口を見ておく。総務省統計局の人口ピラミッドを見ると日本の人口構成の変化が一目瞭然である。1945年は戦争によって20代、30代の男性人口が大きく減少している。10年後の1955年にはベビーブームによってピラミッドの姿が一時的に回復したものの10歳未満が減少を始めている。東京オリンピックの翌年1965年には団塊の世代が突出しているもののまだピラミッドのような三角形をかろうじて維持している。これは1975年まで続くが、1985年にはピラミッド形は完全に失われ、人口構成は釣鐘形に変化した。そして2010年まで釣鐘形の重心は毎年上昇してきた。

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[グラフ:国勢調査e-ガイド・人口ピラミッドより作成]

日本の総人口は終戦から1980年代にかけて急速に増加した。終戦の1945年、日本の人口は約7215万人でしかなかった。しかしこの後人口は拡大し始め、1955年には9008万人、東京オリンピックの翌年1965年には9921万人、1970年に人口1億人を突破した。その後も緩やかに増加を進め、2010年には12,806万人に達した。この人口は世界195ヵ国中10番目に位置し、ビジネスの側面から見ても巨大市場だと言える。

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[表・グラフ:平成22年国勢調査_人口等基本集計結果_結果の概要表Ⅱ-1-1 年齢(3区分)別人口の推移-全国(大正9年~平成22年)平成23 年10月26日総務省より作成]

グラフからも分かるように1985年以降、日本の高齢化は一気に進み始め、人口のピラミッドが釣鐘に移行していったのである。しかし大きな変化はこれだけではない。世帯の構成が劇的に変わってきたのである。世帯数の推移を見ると戦後一貫して世帯数は右肩上がりに増えている。1950年には1658万世帯だった世帯数が東京オリンピックの翌年の1965年には2328万世帯で1.4倍に膨れ上がっている。人口の伸びが鈍ってきた1980年代でも世帯数は増加を続け、2000年には4678万世帯、2005年では4906万世帯。平成22年国勢調査によると2010年10月1日現在の我が国の確定した世帯数は5195万504世帯となり,調査開始以来、初めて5000万世帯を超えた。今の日本では1億2800万人が実に5000万世帯以上に分かれて生活しているのである。この世帯数の増加が日本市場を拡大してきたともいえる。世帯単位で購入する洗濯機や冷蔵庫、エアコンなどは人口増加だけでなく世帯数の増加が大きく貢献してきたことは、このデータからも良く分かる。

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